甘い恋をお探しですか?-07-


留まる事を忘れてしまったエースの喘ぎ声と、扱くたびに濡らしていくマルコの手が動く度に立てるぐちゅぐちゅと濡れ切った音がシックな雰囲気を醸し出す部屋に響く。
「は、…ッんぁ」
幹を爪で引っ掻いてやれば、自らの腹に先走りを散らし腰を揺らす。
「マ、ルコ…ッァ…は、」
とろけきった声で名を呼ばれれば、自分の欲望が全身を駆け昇る。
額、瞼、頬、唇へと満遍なく触れるだけの唇を落としていくと、捕まえていたぎちぎちに張ったそれを一思いに口へ銜え込む。
「ぁああッ、や…やだっ…やだぁ…ッ」
他人の中へ入るという感覚を知らないのであろうエースは、マルコの口内の熱をそこで感じた瞬間、膝を大きく震わせ身体の反応とは準じない抵抗を見せた。
押し返そうと頭を掴んだ手にも大した力が籠もらず、ただ髪に指を絡めるばかり。頭を振っても、マルコが離してくれる気配はない。

視覚で確認せずとも、口に銜え込んだペニスは血管を浮かばせておりエース自身にも限界が近い事は充分に分かっているだろう。
「ア…ッや、」
唇で緩い締め付けを与えながら、重ねられるマルコの口内での刺激に尚も頭を小さく左右に揺らすエースに、とどめとばかりに強く吸い上げる。
「…ァアッ…――――」
昇った熱は留める事を知らず、顎を上げ言葉にならない声を上げながらマルコの口内で放出した。
吐き出された濃い白濁を飲み込み、残された熱を吸い上げてやる。
幹に付いた欲も綺麗に舐め取ったところで漸く顔を上げた。

「気持ち良かったかよい」
「……っやだって、言ったの…に」
「悪かったよい」
虚ろな瞳を捉えると緩く口角を上げ、目蓋へキスを落とし汗に張り付いた髪の毛を除けつつ頬を撫でる。
エースは落ちてくる目蓋に任せ意識を夢の中へ受け渡した。




見慣れぬ天井。
会社に泊まったんだっけとよく回らない思考で視線をずずっと横へ向ければ愛しき恋人の寝姿があり、意識を覚醒させた。
想像に反しない黒を基調にシックな雰囲気に纏められた部屋に紛うことなきマルコの部屋なのだと、気付く。

身動きが取り辛いと感じたのも、マルコの腕がエースの腰へ周っているからだと気付くのにもそう時間は要さなかった。
普段人より早く起きるなんて事が無いエースにとって彼の寝顔が見れる事は貴重体験であり、優越感と照れ臭さも加わってふふっと小さく笑いを零しマルコへ距離を詰める。
「起きたかよい」
自分ももう一眠りと目を閉じた矢先、寝ていると思っていた恋人の声が鼓膜を揺らし二度目の驚きに視線を向ける。
「起き……てたのかよ」
「ああ。おはようのキスはしてくれねぇのかい?」
「オッサン…」
そう毒づきながらも、少しの躊躇いの後にキスをしてしまう自分はどうしようもなくこの人に惚れてしまっているのだろう。
「時間……」
そういえばと、時計に目をやれば出社するにはまだ早い、5時半なんていう早朝。
春を迎えて日が長くなったと言えど、カーテンから漏れる日の光もまだ弱い。
「お前んち送っていってもよかったんだがねい、どうにも手放すには勿体なかったもんでねい」
「なにが勿体な……」
言い掛けたところで急に蘇ってきた昨夜の記憶を思い出し、顔へ血が一気に駆け昇る。
エースの反応ににやにやと笑みを返すマルコの顔へ平手が打たれた。その手を掴まれるとマルコの首へ強制的に誘導され、腰に回されていた腕によって抱き締められる。
「今度は俺も受け入れてくれよい」
エースの好きな低音ボイスでそう耳へ注ぎ込まれてはズルい以外のなんとも説明しようがない。
「つ、次の機会なっ」
こっそり下腹部へ伸びていたマルコの手はその言葉によって阻止されてしまい、ふっと笑いを零す。

「朝飯作るかい。腹減っただろい」
「減ったーっ!食うぜ!」




-*TO BE CONTINUE*-